もっと求めて、欲しがって、お嬢様。
「僕は理沙と話があるんだ。いいから部外者は消えてくれ」
「やだっ!だって理沙のこんな苦しそうな顔、放っておけないもんっ」
「…エマ、」
正しく呼ぶと、ぎゅっと私の手を握ってくれる。
佐野様と踊りたくなんかない、結婚だってしたくない。
まるで私の隠した気持ちを見つけてくれたみたいに。
そんなのもう、“バカエマ”って愛称では呼べなくなってしまう。
「どういうことなんだ理沙。最近の君はおかしいぞ」
「…佐野様、私は、」
「反省文だ」
「…え…?」
反、省、文…?
佐野様はそう言うと、エマのことは気にしないで続けた。
「原稿用紙2枚だ。なぜこうなったのか、自分のだらしない部分、僕に詫びる内容、それを踏まえてこれからどうするのか。
しっかり反省を示して明後日までに書いて送ってくれ」
「なにそれっ!!バカだよそんなの…!!」
ほんとうにバカみたいね。
エマ、あなたの言うとおりよ。
こんな男と結婚して幸せがあるわけない。
碇の言っていたことだってそうだ。
佐野様との結婚の先に、私の笑顔はどこにもない。