このキョーダイ、じつはワケありでして。
「それお見合い?それとも紹介?だれ?テツの知り合いなの?」
「そ、そうなんだ。俺の友達の従兄弟の知り合いの…親戚の姉貴でね!」
「……遠すぎない?」
そんなところからの縁談を繋げようとしているテツもなかなかだ。
けど、逆に良かったりするかも。
「……いつから聞いてたんだよ慶音」
「受けよう兄ちゃん。せっかくの機会だし、会ってみれば気持ち変わるかもだから!」
「────慶音」
なんでそんなに怒ってるの…?
こんなに嬉しいことってないのに。
いいかげん兄ちゃんは兄ちゃんの幸せを考えるべきだ。
それが普通なんだよ。
やっと、やっとだよ。
やっとこんな機会が回ってきたんだから。
「ここは部屋もいっぱいあるから住んでもらうこともできるし、私ももちろん仲良くするし」
「そういう問題じゃないんだよ」
「じゃあどういう問題?」
「実際そんなことしてみたら実感するだろうね。おまえは」