このキョーダイ、じつはワケありでして。




私はいずれ、兄の手から離れないといけない日が必ずくる。

そしてあなたも妹の手を離さなければいけない日はくるんだ。



「えらっそーに。なんにも知らないクソガキが」


「なっ、クソジジイ!!」


「…は?だれのこと?もしかして俺のこと言ってる?」


「兄ちゃん古いんだよ考えが!もっとラフに考えないと頭カチコチになってハゲても知らないから…!」


「……テツ。俺どこで育て方まちがえた?」


「まてまてまて…!!成海くんも慶音ちゃんも落ち着いて!!頼むからしまってくれこぶしは…!グーは握らない!ダメ!!」



言うこと聞かないから聞かせるしかない。


泣かぬなら、泣かせてみせようホトトギス戦法、だ。


私たちだってずっと仲良く2人で暮らしてきたわけじゃない。

こういうぶつかり合いも、物理的な兄妹喧嘩だって、乗り越えてきている。



「なに。やんの?」


「兄ちゃんが…悪い」


「あっそ。いいよ、どっからでもかかってくれば?」



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