このキョーダイ、じつはワケありでして。




こちらからすればやっと口実ができた。
離れる理由ができた。


2度と口を利かなければ解決。

簡単な話だと思ったところで、いやそれは無理だなと私らしくない結果となった。



「やっぱ今のは取り消しで」


「はあ?」


「口を利かないってのは、たぶんできないです。むしろ向こうから来ると思うんで」


「だからその自意識過剰がムカつくって言ってんだろ…!!志摩があんたなんかに本気になるとでも思ってんの!?」


「思ってないです。…てか、私たちはそーいうのじゃないですから」



犬と飼い主、以上。

最近は優しさを感じる頻度が増えたけれど、私よりも強い人間が現れたら彼はシフトチェンジするだろう。



『言っとくけど俺がおまえを気に入ってる理由はさ。…もう空手が強いからってだけじゃないからね』



よく分からない。

あの人を解読しようとするほうが無謀だとも思っている。



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