このキョーダイ、じつはワケありでして。
「前も放課後にデートしてるとこ見たって子がいるんだけど?」
デート…?
いつだ、あの先輩とふたりで出かけたことなんか…。
…………あった。
「映画、観に行っただけですよ」
「はあ!?ありえないんだけど!!それ付き合ってんじゃないの…!?」
「なんであんたなんかが!?」
これはもう、たぶんあれだ。
緒方 志摩を初めて知った日。
駅で冤罪だなんだと騒いできた痴漢男。
なにを言っても話が通じなくて、頭のおかしい被害妄想人間。
そいつと同じだと思ったほうがいいかもしれない。
「そんなことより胴着、さっさと返してください」
「こっちはそんなことじゃねーんだよ!!志摩ともう2度と口利くなって言ってんの!!」
「わかりました2度と口利きません」
「は……?」
こっちが素直に首を落とせば、逆に困惑が返ってくる。
そもそも勝手な勘違いでヒステリックを起こしているのは先輩たちだ。