乳房星(たらちねぼし)〜再出発版

【影法師】

私は、1994年12月から1995年1月15日の間にかけて大番頭《おおばんと》はんたちとゆかさんを見つけるために京阪神《アーバンネットワークエリア》の各地を探し回った。

しかし、有力な手がかりとなる情報を得ることができなかった。

どないしょう…

どないしたらええねん…

イワマツの財産書《もくろく》がなかったら…

お仕事ができない…

私は、人生史上最大の危機におちいったようだ。

時は、1月15日の午後7時過ぎであった。

ところ変わって、阪急三ノ宮駅の中にあるマクドにて…

私は、1セット750円のビッグチーズマックセットで夕食を摂ったあと考え事をしていた。

きょうの今ごろまでの間、大番頭《おおばんと》はんたちとゆかさんを探し回ったけど、有力な手がかりを得ることはできなかった。

このまま大番頭《おおばんと》はんたちとゆかさんを見つけることができなかったら、私の人生は完全にアウトだ…

どないしたらええねん…

この時であった。

私のもとに、黒いスーツ姿の男がやって来た。

黒いスーツ姿の男は、耳打ちで『君波の次女《むすめ》は、九州にいる…』と私に伝えた。

ゆかさんが九州にいる…

ゆかさんが九州のどこかにいるのはホンマなのか?

いても立ってもいられなくなった私は、再び旅に出ることにした。

(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)

時は夜9時過ぎのことであった。

私は、JR三ノ宮駅から途中の網干《あぼし》(兵庫県姫路市)まで快速運行の播州赤穂《ばんしゅうあこう》行きの新快速電車《しんかいそく》に乗って西へ向かった。

終点・播州赤穂駅《ばんしゅうあこうえき》で列車を降りた私は、最終の岡山行きの各駅停車《かくえき》に乗って西大寺駅《さいだいじえき》(岡山市東区)まで乗った。

西大寺駅《さいだいじえき》に列車が到着したのは、日付けが変わって1月16日の深夜0時10分か20分頃であった。

ショルダーバッグを持って列車を降りた私は、西大寺駅《さいだいじえき》から歩いて国道2号線岡山バイパスの入口付近へ向かって歩いた。

ところ変わって、岡山バイパス君津インターチェンジのすぐ近くにあるドライブインのスナックコーナーにて…

私は、スナックコーナーで夜食を摂っている運転手《うんちゃん》に『下松駅《くだまつえき》まで乗せてください。』と頼みに行った。

この時、徳山(山口県周南市)へ建設資材を運ぶ予定の運転手《うんちゃん》が『おう、分かったぜ。』と私に声をかけた。

私は、徳山へ向かう運転手《うんちゃん》が運転する特大トラックに乗ってJR下松駅《くだまつえき》へ向かうことにした。

一刻も早く大番頭《おおばんと》はんたちとゆかさんを見つけないと…

残された時間は…

わずかしかない…

急がなくちゃ…
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