乳房星(たらちねぼし)〜再出発版

【ルビーの指環・その2】

「これは…県の児童相談所のふうとうよね…ゆりこちゃんのいやたい(きたない)姿が写っている写真が調書にテンプされているのはホンマ?」

愛媛県の児童相談所の大きなふうとうを受け取ったドナ姐《ねえ》は、ヨリイさんにたずねた。

ヨリイさんは、つらい表情で『そうよ。』とドナ姐《ねえ》はんに言うた。

ドナ姐《ねえ》はんは、大きなふうとうを開封したあと中から調書を取り出した。

最初の一件の調書にテンプされていた写真を見たドナ姐《ねえ》はんは、思わずゼックした。

調書にテンプされている写真は、身体がグチョグチョに汚れていた上に充血している目から泥に染まった涙を流して泣いていたゆりこが写っていた。

衣服・下着を全部脱がされたあと、集団で犯されたようだ。

その他にも、脱がされた衣服・下着がボロボロに汚れた写真が数枚あった。

写真を見てゼックしたドナ姐《ねえ》はんは、ヨリイさんに写真の出どころをたずねた。

「このいやたい写真は、いつ頃に撮影されたの?」

ヨリイさんは、ものすごくつらい表情で答えた。

「今から、33年前の写真よ。」
「ゆりこちゃんが中学1年の時よね…この写真を撮影したのはだれ!?」
「愛媛県警がバイク事故で亡くなった若い男の子の持ち物を調べていた時に発見されたフィルムを現像した時に出てきたのよ。」
「亡くなった若い男の子がゆりこちゃんをレイプしたのね。」
「亡くなった若い男の子は、地元の暴走族グループの男だったのよ。」
「ゆりこちゃんは、なんで暴走族の男たちに犯されたのよ!?」
「原因は…ゆりこちゃんの母親の再婚相手だったにへん目の女の内縁の夫のセガレの嫁よ。」
「問題の女は、男グセ悪かったの?」
「ものすごく性悪《しょうわる》な女だったわ…問題の女は、ホストクラブの男をつまみ食いしたのよ…その末に、ホストくんが自殺したのよ…自殺したホストくんの親友が暴走族のリーダーだったのよ…」
「これは、どこで撮影された写真!?」
「新川(伊予市)の海水浴場よ。」
「新川。」
「ゆりこちゃんは、問題の性悪女《わるおんな》が運転する軽四に乗って、西垣生(松山市)の家に帰る途中だったのよ…その時に暴走族に捕まって…」
「事件現場に連れて行かれたのね。」
「うん。」
「それで、バイク事故で亡くなった若い男の子が…ゆりこちゃんのいやたい姿を撮影した…のね。」
「ゆりこちゃんを犯した暴走族のグループは、数日前に性悪女《わるおんな》の夫に仲間を殺されたのよ…」
「その報復で…ゆりこちゃんをレイプした…」

ドナ姐《ねえ》はんは、チンツウなおもむきで言うたあと、調書と写真をふうとうにしまった。

その後、ドナ姐《ねえ》はんは2件目の調書を取り出した。

2件目の調書にテンプされていた写真もまた、いやたい姿のゆりこが写っていた。
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