乳房星(たらちねぼし)〜再出発版

【ルビーの指環・その3】

ドナ姐《ねえ》はんが次に見た写真は、さらにショッキングなシーンが写っていた。

撮影された場所は、ヨットのコックピットにあるベッドであった。

ベッドの上ですやすやと眠っているゆりこが着ていた白のTシャツが鋭利《えいり》な刃物でズタズタに切りさかれていた。

Tシャツの下に、白の細いストラップの三角スイムブラと黒色でマーガレット柄のスイムビキニショーツがあらわになっていた。

ものすごくショッキングな写真を見たドナ姐《ねえ》はんは、つらい表情でヨリイさんに言うた。

「これは、いつ撮影されたの?」
「今から32年前の夏よ。」
「暴走族から集団レイプの被害を受けた翌年の夏よ。」

ドナ姐《ねえ》はんは、いやたい姿のゆりこが写っている写真を見ながらゼックした。

「なによこれ…ゆりこちゃんのひどい姿を撮影した男は、どこの家のセガレよ!?」

ヨリイさんは、ものすごくつらい表情でドナ姐《ねえ》はんに言うた。

「ゆりこちゃんの衣服を刃物でズタズタに切り裂いた男は、大学4回生のコだったわ…親御さんは松山市の職員よ…撮影した男は…24歳の…ええとこの家のオンゾウシよ…オンゾウシの父親は、地元の一流企業の採用担当の人だったの…大学生の男は、採用担当の男からハラスメントを受けたことが原因でシューカツをやめた…」
「ハラスメントを受けた報復として…オンゾウシの男をおどした末に…この写真を…」
「そう言うことになるわね…ゆりこちゃんは、ひとりで海水浴場に来ていた…その時にオンゾウシに声をかけられた…」
「ヨットの所有者は?」
「男ふたりは、人さまが所有しているヨットに勝手に乗ったのよ…」
「サイアクだわ!!」

ドナ姐《ねえ》はんは、ショッキングな写真を2件目の調書と一緒にふうとうにしまったあとヨリイさんに返した。

ヨリイさんは、チンツウなおもむきでドナ姐《ねえ》はんに言うた。

「ドナさん。」
「もういいわよ…これ以上はもうイヤ…」
「ドナさん、ごめんなさい…」
「2件の調書にテンプされていた写真をよーくんが見たら…確実に再起不能におちいるわよ…施設長…」
「そうよね。」

ヨリイさんは、愛媛県の児童相談所の大きなふうとうを手提げにしまったあと、ドナ姐《ねえ》はんに言うた。

「ドナさん、これからゆりこちゃんの身体のことについて話をするね…これから話すことは…よーくんには言わないでね。」

ヨリイさんは、ものすごくつらい声でゆりこの身体の状況をドナ姐《ねえ》はんに説明した。
< 88 / 200 >

この作品をシェア

pagetop