貴方の涙を拾うため,人生巻き戻って来ました!
やっぱり見覚えのある男で,私は安心する。
その様子に,男達はまた眉をひそめた。
それにどのみち,ここまで来たのであれば,帰ることも叶わない。
私1人簡単に逃がすような組織なら,ここはとっくに他の組織に食い潰されている。
「私は…どうして連れてこられたの? 何か特別なことをした覚えはないんだけど」
「それはジョーカー,蘭華さんに聞きな。今から会える」
私が怖がるとでも思ったのか,その人は悪戯に笑った。
「そう」
今さら怖がったふりなんて出来なくて,私は俯いて誤魔化す。
あぁ,何もかも,一緒。
その下では,泣きそうな程幸せを噛み締めている,私がいた。
強引に立たされて,広く大きな和風のお屋敷に,私は足を踏み入れる。
……しがないお花屋さんだった私は,1回目。
ビクビクと半泣きでこの門をくぐった。
どの人にも敬語で,様子を窺って。
でも,そんなことじゃ間に合わない。
私が死んだのは,蘭華を泣かせてしまったのは。
今からたった1年後の,白い雪の降る日のことだった。
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雪をバックに,私の顔へと降る大粒の雨。
目を瞑れば,まだそれにさらされているような気持ちにすらなる。
待っててね。
私は目を開けた。
その前に,1人の若い男。