干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
雅也に会うのは、マンションの前まで車で送ってもらった日以来だ。
その様子を副社長に見られていた事も、その事がきっかけになり屋上で美琴が副社長の胸に飛び込んだことも当然雅也は知らない。
「こ、こんにちは。水上さん……」
美琴はあの日励ましてくれた雅也に対して、少し気まずさを感じながら小さく頭を下げた。
雅也は美琴に笑顔を向けた後、副社長の方に向き直る。
「俊介たちが、どんなデザインを作って来たのか楽しみにしてるよ。今日はお手柔らかにね」
「正々堂々勝負しろよ。雅也……」
「もちろんだよ!」
雅也はにっこり笑ってそう言うと、副社長の肩に手をかけて耳元に顔を近づけた。
「全力で奪うつもりだよ……仕事も隣の彼女も」
副社長はキッと雅也を睨みつける。
「できるもんならやってみろよ」
二人の間にしばし沈黙が流れた。
「あ、あの……」
美琴がおろおろとして声をかけたのと同時に、雅也は会社の社員に呼ばれた。
雅也は笑顔で軽く手を上げると、エントランスに入って行く。
「大丈夫ですか……?」
二人の会話が聞き取れなかった美琴は、不安そうに副社長の顔を見上げる。
「大丈夫です。行きましょう」
副社長はにこっとほほ笑むと美琴を促して歩き出した。
その様子を副社長に見られていた事も、その事がきっかけになり屋上で美琴が副社長の胸に飛び込んだことも当然雅也は知らない。
「こ、こんにちは。水上さん……」
美琴はあの日励ましてくれた雅也に対して、少し気まずさを感じながら小さく頭を下げた。
雅也は美琴に笑顔を向けた後、副社長の方に向き直る。
「俊介たちが、どんなデザインを作って来たのか楽しみにしてるよ。今日はお手柔らかにね」
「正々堂々勝負しろよ。雅也……」
「もちろんだよ!」
雅也はにっこり笑ってそう言うと、副社長の肩に手をかけて耳元に顔を近づけた。
「全力で奪うつもりだよ……仕事も隣の彼女も」
副社長はキッと雅也を睨みつける。
「できるもんならやってみろよ」
二人の間にしばし沈黙が流れた。
「あ、あの……」
美琴がおろおろとして声をかけたのと同時に、雅也は会社の社員に呼ばれた。
雅也は笑顔で軽く手を上げると、エントランスに入って行く。
「大丈夫ですか……?」
二人の会話が聞き取れなかった美琴は、不安そうに副社長の顔を見上げる。
「大丈夫です。行きましょう」
副社長はにこっとほほ笑むと美琴を促して歩き出した。