干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「グリーンデザインの方ですよね。今日のイベントが朝の情報番組で紹介される事になって、この壁面装飾も映したいっておっしゃってるんです。メンテナンスが終わったら、撮影させて頂いても良いですか? あと少しだけインタビューもお願いします!」

 二人にそう伝えると、女性は返事も聞かずに、バタバタと忙しそうに離れて行った。

「えぇ?! インタビューって、私たちが受けて良いの?!」

「ぶ、部長に確認してみようか……」



 夕方、ぐったりと椅子に腰かけている美琴と滝山の元に、ハイテンションな東が姿を現した。

「二人ともお疲れー。って、ほんとにすっごい疲れてない?!」

「だって……早朝からメンテした上に、テレビに映されてインタビューですもん」

「ぼ、僕なんてずっと緊張しっぱなしですよ」

 滝山が、涙目で東の腕に(すが)りつく。


 美琴と滝山は、テレビの取材の後もいくつかの雑誌社から声をかけられ、写真を撮られたり装飾の説明をしたりと忙殺されていた。

「でもさ。その疲れも吹っ飛ぶ話があんのよ!」

 東がにやりと口元を緩め、美琴は滝山と顔を見合わせる。
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