干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「そう。雅也は父親である社長に『一緒にトータルを変えよう』って説得したそうです」
俊介はそう言うと、窓の外に目をやった。
『本当はね。一人で会社を変えようと思ってたんだ。だからプレゼンで勝ったら会社を譲ってくれって言うつもりだった。
でも違ったんだよね。父親と一緒に変えて行かなきゃ意味がない。
ずるい手を使うのはもうおしまい。
俺は真っすぐに勝負して、トータルを世界に通用するグリーンの会社にしてみせるよ。俊介、覚悟しといてよね』
あの日、電話で聞いた雅也の言葉が俊介の中で響いていた。
「雅也は強くて立派な奴です。僕は友人として誇らしい……」
そう言うと、俊介は健太の顔を覗き込んだ。
「健太、俺たちはまたあの時からやり直さないか? 雅也はそれを望んでるし、俺もそうしたいと思ってる」
「俊介……」
「お前だって本当はそれを望んでたんだろ?」
俊介は健太の肩に、そっと手を置いた。
「ばかやろう……当たり前だろ」
健太はそう言うと、目頭を押さえながら部長と滝山の方へ歩いて行った。
「三人の仲も、また戻るんですね」
美琴の言葉にうなずくと、俊介はそっと優しく美琴の手に触れた。
俊介はそう言うと、窓の外に目をやった。
『本当はね。一人で会社を変えようと思ってたんだ。だからプレゼンで勝ったら会社を譲ってくれって言うつもりだった。
でも違ったんだよね。父親と一緒に変えて行かなきゃ意味がない。
ずるい手を使うのはもうおしまい。
俺は真っすぐに勝負して、トータルを世界に通用するグリーンの会社にしてみせるよ。俊介、覚悟しといてよね』
あの日、電話で聞いた雅也の言葉が俊介の中で響いていた。
「雅也は強くて立派な奴です。僕は友人として誇らしい……」
そう言うと、俊介は健太の顔を覗き込んだ。
「健太、俺たちはまたあの時からやり直さないか? 雅也はそれを望んでるし、俺もそうしたいと思ってる」
「俊介……」
「お前だって本当はそれを望んでたんだろ?」
俊介は健太の肩に、そっと手を置いた。
「ばかやろう……当たり前だろ」
健太はそう言うと、目頭を押さえながら部長と滝山の方へ歩いて行った。
「三人の仲も、また戻るんですね」
美琴の言葉にうなずくと、俊介はそっと優しく美琴の手に触れた。