干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「じゃあ俺は早速、新メンバーの人選といくか!」

 しばらくして、落ち着きを取り戻した部長が大きな声を出し、ノートパソコンを持ってソファに向かった。

「そうですね。部長の目は確かですから」

 俊介は、チラッと美琴に目をやると笑顔で答える。


「え?! メ、メンバー増えるんですか?!」

 滝山が嬉しそうに、いそいそと部長の隣に腰かけた。

「はいはい! 俺は、女の子たくさん入れて欲しいでーす」

 さらに嬉しそうに両手を挙げる健太を、部長がギロっと睨みつける。

「はい。東くんの希望は却下!」

「そんなぁ」

 健太は上げた両手を頭の後ろに回し、あははと笑いながら俊介の顔をチラッと見る。


「それにしても、よく社長がこの決断をしたな……」

 健太は俊介の隣に立つと、急にまじめな顔つきになって言った。

「まぁな」

 俊介は小さくそう答えながら、隣に立つ美琴の顔を見る。

「今回の壁面装飾の功績に加えて、トータルの件が解決したんです」

「え……? どういう事ですか?!」

 美琴は思わず大きな声を出した。


「雅也が協力してくれた」

「雅也が?!」

 健太が横から、驚いた顔つきで見つめている。

「雅也が、うちから手を引かせると約束してくれた」

 美琴ははっとした表情を見せる。

「水上さんは、変えられたんですか……トータルを」
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