腕の中で、愛でる
新婚?
一方の御影と華澄━━━━━━

「みぃくん…」
「ん?なぁに?」

「怒ってる?」
窺うように聞く、華澄。

「ううん!怒ってないよ!
大丈夫!」
「でも、どうしたの?
いつもなら、しぃくんの誘いは断らないでしょ?」

「だから、今日は新婚カップルでしょ?俺達」

「し、新婚?」
(え?何のこと?)
目を真ん丸にして、不思議そうに見上げる。

「はぁ…可愛い……
その、クリクリってした目……!」
「みぃくん、新婚ってどうゆう……」

「だってぇー、今日は千影と澄義がいないでしょ?」
「うん。
━━━━━あ!だからか!」

「そ!わかった?」
「うん。そうゆう意味だったんだ!」
「そう!
楽しいね!
飲み会だから、二人は遅いでしょ?
だから今日、カスミンの部屋に泊まるからね!
一緒にラブラブして寝ようね~!」


マンションに着き、御影が言う。
「俺、着替えてくる!
すぐに行くからね!
ごめんね、寂しくさせるけど……」
頭を撫で、頬にキスをし、更に抱き締め、今度は口唇にキスをして蓮見の家に入っていった御影。

華澄はされるがままだ。

“寂しくさせる”と申し訳なさそうに言っているが、ほんの数分のことだ。
御影のことだから、数分で着替えなどを済ませやって来るだろう。


━━━━━━━思った通り……華澄が中に入り、手を洗ったりうがいをしたりしてると“入るねー”と声がして入ってきた。

「早い…」
華澄はまだ手を洗っただけで、うがいの途中だ。

「あ!カスミン見っけ!」
「………」

「はぁ…寂しかったね…」
「う、うん…」
(このくらいなら、寂しくも何ともないけど……
本音は言うまい……)

後ろから抱き締め、頬をすり寄せる御影。

「あーあ……カスミンとずーーーっと、くっついてたいなぁー!」

「みぃくん」

「ん?あ!カスミンも?
俺と、ずーーーっとくっついてたい?」

「あ、いや、うがいしにくいの。
少し離れて?」

「えー!やだぁー!
このまましなよ!」

(いやいや、できないよ…)
と、思っても言えない。
いつ、どのタイミングで、御影がキレるかわからない。

華澄は、しにくそうにうがいを再開するのだった。
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