プリズムアイ


あの女。歯を無意識にぎりっと食いしばった。

<絶対違う。それにいい後輩だと思っているけど、それ以上の気持ちはないし>

<そうなんですね、ちょっと安心しました>

<僕にとって美司より、フジタの方がかわいい後輩だから>



<ありがとうございます、私も社内で一番話しやすい先輩は水島さんです。あ、もうちょっとで零時回りますね。今日はありがとうございました。>

<いや、こちらこそ。いい刺激になったよ>

股間のな。

<それでは明日もよろしくお願いします、おやすみなさい>

<おやすみ>

三時間くらい話してしまった。切れてしまった携帯電話を見つめる。たしかに眠気が襲ってくるが、それよりも襲ってくるのが性欲だ。

思わず、利き手がズボンの中を弄ってしまう。目をつむって、思い浮かべるのは潤んだ目をしたサキのことだ。学生の頃初めてオナニーを覚えたサルのように、上下にこれでもないかというくらいしごいた。
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