プリズムアイ
電話も一週間に二回ほどかけていてだんだん、セクハラじみたものが囁かれるようになっていたため、一喝しつつここまで引っ張てきたが、そろそろ褒美を渡さないとどこかー--美司のもとへ戻られても困る。

強者になれるのは弱者の人間だけだ。

水島の家の前まで着くと、もう外で待っていた。嬉しいことを前面に出すと彼は口をすぼめて喜びを隠す姿がとても気持ち悪かった。

「今日も瞳が凄い綺麗だね」

「ふふ、ありがとう」

いつもうっとりと目を見つめられ、優越感と嫌悪感が同時に押し寄せてくる。

「部屋あんまり綺麗じゃないんだけど、そこのソファーに座ってて」


殺風景というわけではないが、典型的な一人暮らしをそのまま持ってきたようだった。
窓際のベッドの隣には、二人用のソファーが置いてあってそこに腰掛ける。
水島は台所でヤカンにお湯を沸かして、ソファーに腰掛けるなりリモコンでテレビの電源を付けた。情報番組でこないだ落ちてきた隕石の話題だった。
リポーターは言う。神妙に、他人事のような顔をして。
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