プリズムアイ
30分徹底的に絞りこまれた、憔悴しきった藤田さんを迎え入れた。美司さんは僕に耳打ちして「今日飲みに行きますので、強制連行です」と颯爽と去っていく。ただいつもより、ヒールを踏みしめる音が大きく聞こえた。
彼女の後ろ姿を見送ってから、フジタさんはぽつりと漏らした。
「なんだか、嫌われているんでしょうか」
その声は寂しそうな、落胆したような声だった。
俯いた長いまつ毛が少し、濡れているような気さえする。
先ほどの美司の様子を思い出す。
彼女は少し感情が乱れたとき、強めにヒールを鳴らす癖がある。
藤田さんに叱ったのだろうか。それなりにきつくしかったんだろう分かりやすく落ち込んでいいる姿に庇護欲がむくむくわいてくる。
「そんなことないと思うよ、ただ美司さんは一直線だから時々態度が強くなるかもしれない。僕からもいっとくし、頑張っていこう?」