本当の声。
朝、教室前が騒がしかった。

「みゆき、おはよ」

中学からの友人、鈴乃。

「すーの、おはよ。なんの騒ぎ?」

鈴乃は首を傾げる。どうやら知らないらしい。仕方なく近くにいる子に話しかけよう。

「あ!いた!!」

人一倍声の大きい、というか通る声が聞こえたと思ったら。
危うく変な声が出るところだった。どうして昨日の変な先輩が、ここに。

「昨日話途中だったのに、帰っちゃうからさ。ちょっと調べた」
「ちょっと調べただけで私を見つけられるの?顔しか知らないはずなのにどうして…………」

「早速部室行こっか、1年7組のみゆきちゃん」

名前まで分かられてるのか。まあそうだよね……。

「ちょっ、みゆき!」

随分慌てた顔の鈴乃に手を引っ張られる。

「し、知り合いなの!?住野双葉(すみのふたば)さんと!!」

慌てて首を振る。知り合いなわけが無い、こんな変な人と。

「わは、俺のこと知ってくれてるんだ?嬉しいな」

変な先輩は歩きながら鈴乃に笑いかけると、鈴乃の顔が赤くなっていく。
なんなの、この人有名人!?!?私が知らないだけ!?

「みゆきちゃん、とりあえず部室来てくれる?」
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