夜這いのくまさん

5

シェリー嬢は知れば知るほど魅力的だった。
瞳がエメラルド色で、髪の毛はダークグレイのふわふわの髪の毛。
桜色の唇は薄く、癖の舌をぺろりとする姿にはどきっとする。

何度か逢瀬を重ねた。重ねるたびに彼女は博識で聡明だった。

遠征でケガをするときがあるといえば、その地方で薬になる草花を教えてくれたりその草花が生えているところは近くに澄んだ川があると教えてくれた。
彼女はありとあらゆる雑学を持っていて、なにか行き急ぐように知識を取り込んでいく。
俺は彼女の笑顔が好きだ、はにかんだ顔もかわいらしい。キスだって、その先だってしたい。だけれども、おかしい、彼女がときたまみせる憂いた顔は、全てを諦めてしまっているようでその原因は彼女にとって固く閉ざされていた。そしてその理由はすぐに知ることとなる。
< 21 / 42 >

この作品をシェア

pagetop