【コミカライズ決定】婚約者の浮気相手が子を授かったので
「わかった。では、ファンヌ嬢。待合室で、体調不良者がどのように具合が悪いのかを聞いて、帳面に記録して欲しい」
「はい。それから、もう一つ、許可をいただきたいのですが」
「なんだ」
「場合によっては、私の判断で『調茶』してもよろしいでしょうか?」
 ファンヌは、普段エルランドに接しているようにオスモにも同じような態度で接している。これがエルランドをはらはらさせている原因になっていることなど、ファンヌは知らない。
「わかった。ファンヌ嬢に任せる。たまに、薬はいらないだろうというような人間もやってくるからな。そういった者をお茶で症状を軽減できるのであれば、私としては非常に助かる。薬草と茶葉はそこにある。もしかしたら、茶葉は足りないかもしれないが」
「ありがとうございます。あるもので、なんとかしてみます」
 ファンヌが頭を下げたのを見て、エルランドの表情が和らいだ。
「よし。次の人呼んで」
「では、私は待合室の方で話を聞いてまいります」
 だが、ファンヌが診断室を出ていく姿を見たエルランドの顔は曇っていた。
 ファンヌは受付から順番を聞いて、体調不良者の話を聞くことにした。腕があがらない人、お腹が痛い人、手足が冷える人、発熱している人、よく眠れない人など、様々な症状の者たちがいた。その中でファンヌは手足が冷えている女性とよく眠れない男性のために、茶葉と薬草を合わせて『調茶』を行い、お茶を振舞った。
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