とある事情で無言になったら、超絶クールな婚約者様が激甘溺愛モードになりました。

「ええ、ですから、ハーミリアをしっかりと捕まえていてほしいのです」
「そうか……それなら、多少強引な手を使っても問題ないか」
「皇帝陛下からの勅命であれば誰であろうと無視できませんわ」
「ふむ。ハーミリアが婚約解消されるのはいつだ?」

 ギラリと獲物を狙うように琥珀色の瞳が光る。ハーミリアを手に入れるために、本格的な行動を起こす気になったようだ。

「そうですわね、あと一週間もあれば王命として婚約解消できますわ」
「一週間か、ならば俺の方も間に合わせよう」
「くれぐれもハーミリアには知られないようにしてくださいませ」
「そうだな、わかった」

 クリストファー殿下は帝国に使いを送るべく、学生寮へ戻った。魔道具を使えばさほど時間はかからないから、皇帝の勅命も間に合うだろう。ライオネル様から連絡はないけれど、王命さえ出してもらえば問題ない。

「そうだわ、今日は私も早く王城に戻って、クリストファー殿下に魔道具を準備しないと」

 もうすぐ叶う望みを想像して笑みがこぼれる。どんなにハーミリアが足掻いても、王命と帝国の皇帝からの勅命があれば逆らう術はない。これでやっとライオネル様は私のものになるのだ。

「うふふ、今夜お父様にお願いしましょう。ああ、そうだわお兄様は小言ばかりだから、こっそりお願いしなくてはね」

 私は久しぶりに機嫌よく生徒会室を後にしたのだった。



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