とある事情で無言になったら、超絶クールな婚約者様が激甘溺愛モードになりました。
     * * *

 今日もハーミリアがかわいかった。
 僕の膝の上で一生懸命ランチを頬張る姿が愛しくて、本当に移動の時間すら惜しい。

 そうか、移動の時間を短縮すればいいのか?
 確か図書室に転移魔法の文献があったはずだ。原理さえわかれば、使えるようになるまで練習すればいい。これで往復の二十分を短縮できる。

 あと二十分もハーミリアを堪能できる時間が増えるのか……急を要するな。

「ライオネル様、そんな真面目な顔して、さてはハーミリア様のこと考えてますね?」
「う、なぜわかった」
「いや、昔からそんなに真剣になるのはハーミリア様に対してだけじゃないですか。今度はなにを考えていたんです?」

 ジークは机に向かって考え事をしている僕の頭の中を、ズバリと言い当てる。言い返したい気持ちもあるけれど、確かにここまで真剣になれるのはハーミリアに関することだけだ。

「転移魔法を使えるようにしたいと考えていたんだ」
「は!? 転移魔法って、魔法連盟の方でもわずかしか使えない最難高度魔法じゃないですか!?」
「そうなんだが、時間が惜しい。ランチタイムの時間を無駄にしたくない」
「……ランチタイム?」
「とにかく、一日でも早く身につけるために図書室で調べてくる」
「はあ、まあ、頑張ってくださいね。後でお茶持っていきますから」
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