とある事情で無言になったら、超絶クールな婚約者様が激甘溺愛モードになりました。
     * * *

「マリアン様、今回も失敗しました」
「また失敗したの!?」
「申し訳ございません。ご指示の通りにしたのですがライオネル様に阻まれました」
「はあ、もううまくいかないわねっ!!」

 バンッと力任せに握り拳で机を叩いた。

 この一週間、ローザやテオフィルを使ってクラスメイトたちがハーミリアを排除するように誘導していた。ある者は直接苦言を呈し、ある者は恥をかかせようと頭から泥水を浴びせた。

 しかしどれもこれも、ハーミリア自身がうまく取り込んで味方にしたり、ライオネル様が守りを固めているので失敗の連続だった。
 それにやり方が生ぬるい。学生の考える嫌がらせなど、その程度なのだがこれではあの女にダメージを与えられない。

 あまり直接的に関わっては王族としてよろしくないけれど、これ以上はもう我慢できない。

 ハーミリア・マルグレンが私のクラスに来てから、毎日毎日ライオネル様との仲の良さをこれでもかと見せつけてくるのだ。登校してから下校するまでずっと寄り添って甘い空気を周りに振りまき、どれ程私が煮え湯を飲まされる思いをしたか。

「いいわ、もう他の者には任せられないわね。貴方たちもこれ以上失敗を重ねるなら、いくら公爵令嬢や辺境伯令息であってもただではおかないわ」
「申し訳ございません」
「わかりました」

 こうなったら、使える者はすべて使ってでもライオネル様を私のものにするわ——!!
 今に見ていなさい、ハーミリア・マルグレン!!
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