BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
 王宮魔導士たちが集まっているのが王宮魔導士団。そしてその彼らを取りまとめているのが団長という立場にあるジュード・ホルダーであるメガネ攻め。今回、ジーニアの呪詛を解析するために、ジュードで来てくれたらヨダレもんである。誰が来るのか。ジーニアが願うのは、もちろんジュード、そしてその一歩半後ろに寄り添うミック。ここまでがセット。

「ジーニア嬢。不安にさせてしまって、申し訳ない」

 ジーニアがメガネ攻めと健気受けを必死で妄想している様子が、呪詛に怯えるはかなげな少女に見えたようだ。

「いえ、私は大丈夫です。なんともありません。本当に、このようなことがクラレンス様の身に振りかからなくてよかった、と。そう、想っております」

 クラレンスが一歩、近づいてきた。その彼の手がすっと伸びてくる。
「ジーニア嬢。君に触れてもいいだろうか……」
 はい、とジーニアは頷く。なぜか、そうされるのが当たり前のように感じてしまうのが不思議だった。
 クラレンスの長い指が、そっとジーニアの頬に触れた。
「このように儚げな君に、本来であれば私が受けるべきだったものを背負わせてしまった……。責任を、取らせてもらえないだろうか?」

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