BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
 ――え、責任? 何の?

 ジーニアは驚き、クラレンスの顔を見上げる。責任って何の責任、何をどうやって取るの、と頭の中はグルグルとしているのだが、それが口から出てくることはない。
 クラレンスの長い指が、ジーニアの顎を捉えた。

 ――ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待って。いくら私でも、この後の展開は予想できるんだけど……。

 ジーニアは驚き身体を引く。それにクラレンスも気付いたようだ。

「私と、こういうことをするのは嫌か?」
 ジーニアは顔を背ける。答えることができない。

 ――嫌とかそういう問題じゃなくて。だってクラレンス様にはシリル様がいるわけだし……。

「すみません、恥ずかしいのです」
 悩んだ挙句、ジーニアの口から零れた言葉はそれだった。
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