BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
 ワニでもあるまいし、とジーニアは心の中で思ったのだが、なぜそう思ってしまったのか、理由はわからない。
「ジュード様、もう少し言い方に気を付けてください」

 はっと、ジーニアは顔を上げた。今の声は、恐らくミック。

「言い方だと? オレは事実を口にしただけだ」

「それが彼女を傷つけるのです。もう少し、彼女の気持ちに寄り添ってくださいと言いたいのです」

「なぜオレが彼女の気持ちに寄り添う必要がある」

「例えばジュード様が、いきなりお前は十日後に死ぬ、なんて言われたらどう思いますか?」

「どうもしない。十日後に死ぬ理由を突き止めて、対処するだけだ」

「それはジュード様だからできることであって、ジーニア嬢にはそれができません」

「だったら、オレがなんとかすればいいのだろう? オレが解呪方法を探す。それで問題ないな?」

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