BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
「隊長、冷静に」
 ジェレミーの後ろに控えていたのはグレアム。

 ――ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待って。八時じゃないのに、全員集合しちゃったの?

 ジーニアの脳内は大パニックである。まさかの全員集合。どこのカップルを拝めばいいのか、もはや処理が追いつかない。

「すまない。妹が倒れたと聞いたもので……。って、元気じゃないか」

「なるほど。ジェレミー殿の妹君か」
 ジュードはふとジーニアに視線を向けた。
「そう言われれば、似ているな」
 どうやらジェレミーとジーニアが兄妹であることはあまり知られていないらしい。ここにいるジーニアは身を挺してクラレンスの命を守った女、という扱いのようだ。

「それで、ジェレミーを呼んだのは誰だ?」
 クラレンスの声も冷ややかだった。

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