BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
「どうかしたのか?」
 ジーニアがぼんやりと庭園を歩いていると、クラレンスは辛そうに顔を歪めながらそう声をかけてくる。

「あ、いえ。どうもしません」

「そうか。このようなことしかできなくて、申し訳ないな」

「いえ。クラレンス様が気になさるようなことではございませんから」

 クラレンスが近くにいるからだろう。先ほどからちらちらと感じる視線は魔導士たちのものなのだが、ある一定の距離を保ったまま、それ以上ジーニアに近づこうとしないのは。

「それに。クラレンス様がいらっしゃらなかったら、私はあの部屋にとじこもったままです。ジュード様がおっしゃっていたのですが、どうやら私、魔導士たちに狙われているようなんですよね」

 狙われている、という表現はいささか物騒であるが、間違いではないはず。

< 127 / 168 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop