BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
「狙われている、だと?」

「はい。皆さん、私の受けた呪いに興味津々と言いますか……」

「ああ、なるほどな。それは仕方ないな。それも含めて、申し訳ない」

 クラレンスは謝ってばかりだ。

「クラレンス様。何度も申し上げておりますが、もう謝るのはやめてください。なんか、それって私が可哀そうな女のように思えてならないのです。私、可愛そうではありませんから。自らの意思でクラレンス様をお守りすることができて、誇りに思っております」
 と、何度口にしたことだろうか。クラレンスが謝罪するたびに、そう言ってきたような気がするから、何度なのかもうわからない。

「そう、そうだな……すまな」
 と言いかけて、クラレンスはそこで口を噤んだ。恐らく、すまなかったと言いたかったのだろう。

「悪いがそろそろ時間だ。またあの口うるさいシリルが来たら、君と過ごしている穏やかな時間が全てぶち壊されてしまう」

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