BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
「どうもこうもない。貴様がジーニア嬢の部屋に現れたと聞いたからな」

 もちろん、情報源はルイーズだろう。クラレンスからどのような指示を受けているのかわからないが、恐らくジーニアに関することは逐一報告をしているはず。

「ジュード殿。一体、何が起こるんですか?」
 クラレンスの背後から、ジェレミーも現れた。となれば、漏れなくグレアムもついてくる。

 ――また八時でもないのに全員集合しちゃったわ……。

 ジーニアの中の人にとって、全員集合と言えば八時らしい。だが、その言葉を知っているだけで、実際にはどのようなものかはわからない。

「ルイーズ。お茶を頼む」
 全員集合の他に、ルイーズまでいた。彼女は手際よくお茶を淹れると一礼して去っていく。できることなら近くにいて欲しかった、というのがジーニアの本音。

「さて、ジュード。貴様がジーニア嬢の部屋に現れた、ということは。彼女の解呪方法がわかったということだな」

 クラレンスの言葉に、ジュードはニヤリと唇の端を持ち上げた。
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