BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
「ジュード様。どうされましたか?」

「そうそうそう。ジーニア嬢。君の呪いの解呪方法がわかったのだよ」
 そこでジュードは右手の中指で眼鏡を押し上げる。隣でミックがはらはらとしながら見守っている様子が、オープニングムービーを思い出させる。
 だが、ジーニアはその解呪方法を今、ジュードから聞いていいのだろうか、とも思った。クラレンスやジェレミーにも同席してもらった方がいいのではないだろうか。それを素直に口にする。

「あの。クラレンス様やお兄さまはお呼びしなくてもよろしいのでしょうか?」

「ああ、そうだな。ジェレミーが兄だと言っていたな。おい、ミック。ジェレミーを呼んでこい」

「その必要は無い」
 ジーニアは顔を見なくてもわかった。その声の主が。

「殿下。どうしたのですか?」

< 132 / 168 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop