BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
 ジュードから紙切れを受け取ったジーニアは一人でそれを見るのが怖くて、隣の兄に「一緒に見て欲しい」と言う。ジェレミーは黙って頷き、二人でジュードの調べた結果がまとめられているその紙に視線を走らせる。
 みるみるうちにジェレミーの顔は曇っていく。ジーニアも、頬に熱が帯びていくのを感じた。

「ジュ、ジュード殿……。こ、ここに書いてあることは、本当なのですか」

「ああ。まさか、ジェレミー殿。オレが嘘をついているとでも思っているのか?」

「いや、そういうわけ、ではないのだが……」
 ジェレミーが口ごもれば口ごもるほど、ジーニアの顔は青ざめていく。

 ――まさか、いや、まさか。え、本当に?

 思わずジュードの顔を見てしまう。彼は、自信ありげに大きく頷いている。

 ――ジュード様。なんで、そんなに自信満々なのよ……。

「私にも見せてもらっていいか?」
 クラレンスがジーニアに手を伸ばしてきた。恐らく、そのジュードの報告書を読みたいのだろう。

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