BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
「ですが、この怪我ですので。すぐに仕事に就くのは無理かと思いまして。ですので、辞退をしたほうがよろしいのではないかと思っているところです」
 ジェレミーも妹の言葉を聞くと、顔をしかめるしかない。このような状態の妹が、侍女として仕事をこなすのは難しいだろうと、そう思っているから。

「ああ、それは心配に及ばない。君はアマリエ付きではなく、私付きの侍女となったから」

 何か今、変なことが聞こえたぞとジーニアは思う。

「殿下……」
 ジーニアより先に言葉に出たのがジェレミーだ。今日はこの兄がいてよかったと思った。
「ジーニアを殿下付きの侍女として、ですか?」

「ああ、そうだ。何か問題でも?」

「い、いえ……」
 ジェレミーがクラレンスの迫力に負けた。兄よ、情けない。

「その。あの、そのような簡単に、変更してよろしいのでしょうか?」
 しばらくここにいて、少し肝も据わってきたジーニア。言葉を選びながらも思ったことは口にできるようになった。

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