BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
 部屋を出ていくジェレミーの背中を見送ったクラレンスが口を開く。

「君たちは、仲が良いのだな」

 ――そうだった、この人がいた。

 クラレンスの言葉で我に返ったジーニアはにっこりと微笑んだ。
「はい、たった一人の兄ですから」

「そうか」
 と呟くクラレンスはどことなく寂しそうにも見える。

「クラレンス様にもアマリエ様がいらっしゃいますよね」

「ああ、だが。君たちのように言葉を交わすことは無いな。むしろ、アマリエは私のことを毛嫌いしているようだ」

 ――何なの、その裏設定は。聞いてないから。

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