BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
「お兄さま。これから私が言うこと、絶対に他の人には言わないでくださいよ」

「言わない、が、大事なところは記録を取らせてもらうよ」

「じゃ、どうでもいいところです」

「うーん、判断に悩むところだが。事件と直接関係ないところは、誰にも言わない。グレアムも、口が堅い男だから安心しろ」
 ちらりとグレアムに視線を向ければ、再び、ジーニアを安心させるかのようにニッコリと微笑んでいる。

 ――尊い……。って、だめだめ。今日は、あの事件のことを言いにきたのだから。

 ふぅ、と軽く息を吐いて、ジーニアは続ける。
「では、あのときのパーティ。何があったのか、覚えているかぎりのことを言いますが。でも、なんか、大した情報じゃないようにも思えるんですよね」

「大抵、みんなそんなことを口走るから、気にするな」

「はぁ……。では」

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