BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
 当のグレアムは兄妹のやり取りを見て苦笑しているだけ。

「そう、だったのですね。グレアム様も辛いお立場なのに……」
 ジーニアの眉尻が垂れさがってしまった。それを見てグレアムも焦り出す。もしかして、彼女が今にも泣き出すのではないか、と思ってしまったから。

「ジーニア嬢、私のことはお気になさらず。元々、家同士が勝手に決めた婚約。相手も私のことを何とも思っていなかったのです。それに、どうやら他に好きな方がいらしたようで。今回の件は、体のいい、言い訳にされただけです」

「ですが……」

「ジーニア嬢は勇敢なだけでなく、人の心に寄り添ってくださる、とても優しい方なのですね」
 そう言って微笑むグレアムの姿が、どこか辛そうにも見える。

「おいおい、グレイ。俺の妹に惚れるなよ」
 本気とも冗談とも言えないような、ジェレミーの言葉が響いた。
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