神様ゲーム

僕等は獣の姿を見た瞬間、体が強り動けなくなった。その間にも獣は僕らの方へと一歩ずつゆっくりと歩み寄る。
僕は恐怖感と緊張感で背に嫌な汗が伝うのを感じた。獣は僕らと五メートル位の距離になった時、ピタリと立ち止まる。
そして体を上へのけ反らせて雄叫びのような声をあげる。

「ｸﾞﾙﾙﾙｯ…ｷﾞｬｱｱｱｱｯ…！」

その声を聞いた瞬間、僕等の強ばる体は一気に糸が切れたかのように解放されて、僕等はいっせいに走り出す。

「雄司！逃げよう…」

千賀子がふいに僕の手を強く掴み引っ張った。
僕は千賀子に引っ張られるがままに走った。
ルイはそれに応じて僕をサポートしてくれるように引っ張ってくれた。
屋上の上、逃げ道は入ってきたドアしかない、まさに僕等は籠の中の鳥のようだった。