神様ゲーム
人間と人間
僕等は走り続けていた。
息はとっくに切れている、だけど走り続けていた。
走るのを止めてしまったら、振り返って学校を見てしまいそうになる。
涙は滝のように次から次へと流れていく。
愛理は涙を流しながら、下を向いていた。
何も言わずに必死に声を押し殺そうと唇をきつく噛み締めて。
僕等はそれを知っていた、だけど何一つ言ってあげることが出来なかった。
それどころか、何を言って良いのかさえも分からなかった。


僕等は暫くの間足を止めずに走っていたが、学校がもう見えなくなった頃にようやく足を止めた。

「う…う…うっ…ゆう…き…ゆうき…」

愛理は走るのをやめた途端にその場にしゃがみ込んで、手で顔を覆って大きな声で泣き始めた。

「……愛理…」

声を上げて無く愛理を見て、心配しているのか蓮二がポツリと愛理の名前を呟いて、肩を優しく叩いた。
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