神様ゲーム
いつも賑やかな町、何も変わらない風景、ただ違うのは音の無い世界。
車は止まっている、人も止まっている、車の走る音も人の歩く音も聞こえない。まるでゲームの中の世界のように。
僕は千賀子の肩にそっと手を回した。

「大丈夫だよ…きっと」

どこにも保証の無い言葉、安っぽい力の無い言葉に僕は僕自身に失望したような気がした。
だけど千賀子はそっと肩に回した手に自分の手を重ねてから、小さく「うん」と頷いていた。
ルイはただそっと僕の足に寄り添っていてくれていた。
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