オオカミくんは赤ずきんちゃんを溺愛する

蛍side





ずっと女は媚を売るだけの人間だと思っていた。

それは母親も例外ではなく

「蛍お父さんの機嫌を損ねないでね。ただでさえあんたが反抗的で機嫌が悪いんだから…」

父親の機嫌が悪いとすぐこうなる。
俺に文句ばっか言って父親には媚びを売るだけ

こんな母親から自分が生まれたことに吐き気がする。

父親は経済界を引率する如月ホールディングスの社長。

そんな両親の元から離れて一人暮らしをするため今の高校に転学することを決めた。

親の反対を押し切り賃貸を借り

引越し作業が全て終わり転校初日を迎えた朝
道がわからなくなった。

どこだここ?
スマホの地図に沿って歩いたのにそんなことあるのか?

どうやら自分は方向音痴らしい。
ここからどうやって学校に行こうか悩んでいた時

ドンーーー

誰かとぶつかった。

「すっ…すみません!前見てなくてお怪我はないですか!?」

そこには息を呑むくらい綺麗な女がいた。
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