再会は光の中で~ひっそりと子育てしていたら、あなたの愛に包まれました~
同じ場所で働いている女子たちが彼のことを噂しているのを何度か耳にしている。
「藤沢さんって、カッコいいよね~」
「優しいしね。彼女いるのかなぁ?」
「あれだけのルックスだもん。いるでしょ」
私も彼の存在は気になっていたけれど、自分には関係のないことだと思っていた。時々遠くから見かける程度で、園内で彼を見れた時は嬉しくなった。きっとあんなハプニングがなければ、話すらしていないだろう。
それから時々、私の顔を覚えてくれて、手を振ってくれることがあった。
ある日、勤務を終えてスタッフ専用のエントランスを出ると背後から声をかけられた。
「水原さん、今、仕事終わったの?」
彼の顔を見た瞬間、急に鼓動が速くなってしまう。
普段、見かけないはずなのに、まさかこんなところで紘登と会えるとは思わなかった。
「は、はい。どうしたんですか?」
「俺も今終わった……。最近、水原さんはファンタジーワールドの担当になっただろ? 担当したことないから……その……話でも聞きたいと思って」
「い、いいですけど、急に声をかけられて、びっくりしました」
なぜかいつもの落ち着いた彼ではなく、視線も合わせずに言葉を探している。
「いや……あのさぁ、あまりこうやって女性を誘ったことがなくて……」