再会は光の中で~ひっそりと子育てしていたら、あなたの愛に包まれました~

 私に助け舟を出してくれたのは、先輩スタッフの藤沢紘登だった。母親はため息をつきながら交換用のチケットを受け取る。背の高い紘登が膝をついて女の子の目線まで近づいた。

「ごめんね。今日はプリンセスになったの? もうすぐショーが始まるから、特別席に座ってみるのはどうかな?」

 機転を聞かせて、最前列に位置する子ども用の特別席へ案内してくれた。



「いきなり怒られて大丈夫だった? 新人さん」

 紘登が私の元へ戻ってくると、そう尋ねられた。

「はい。私、まだ入って三カ月なんですけど、失敗ばかりしてしまって……」

 意気揚々と勤め始めたシャイニーワールドの職場だったけれど、道案内を間違えたり、パンフレットを通路にばら撒いてしまったり、お客さんに迷惑かけてばかりいた。

「初めはみんな、そんなもんだよ」

「藤沢さんは、長く勤めてるんですか?」

「そうだね。君よりはちょっと長いかな」

 紘登は自分のことについてはあまり多くは語らなかった。それでも、職場のアドバイスや、失敗談を聞いているうちに、優しい人柄だということはよく理解できた。そして、近くで見ているとドキドキしてしまうほど、整った顔立ちだった。綺麗な二重瞼でブラウン系の透き通った瞳。まっすぐな鼻筋に引き締まった口元をしている。

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