再会は光の中で~ひっそりと子育てしていたら、あなたの愛に包まれました~
「今夜は魔法使いのおじさんが案内してもいいかな?」
「おじさんって……。まだ若いのに、そんな呼び方……」
「それなら、ヒロって呼んでもらおうか」
紘登はそう言って、千帆を案内するために手を伸ばした。
「ヒロ……?」
「あのね、千帆。この人はここの場所を管理してるえらーい人なのよ」
千帆は意味も分からないまま、素直に紘登と手を繋いだ。
「ママもー。手、つなぐ!」
意図せずに、三人で親子のように手を繋ぐことになってしまった。その様子を見て複雑な感情が込み上げる。
もし、紘登と結婚していたら、こんな風に手を繋いでたのかな……。
「さあ、今夜はどんな乗り物に乗ろうか?」
千帆を介して一緒に歩き出す。その夜は、メリーゴーラウンドや高さを誇る観覧車、プリズムをテーマにしたアトラクションなど、千帆が喜びそうな乗り物を楽しんだ。
夕食を済ませ園内を巡ったあと、千帆は休憩したベンチで瞼が落ちそうになっていた。
「千帆、今寝たらお家に帰れないよ」
赤ちゃんではないから、三歳児を抱いて帰るのはかなりの重労働だ。べンチでため息を吐くと、紘登が口を開いた。
「亜澄さえ良ければ、園内にホテルを準備してある。確か、スタッフが連絡したときに伝えておいたはずだ」