放課後の音楽室で
俺たち2人しかいない公園に、静寂が続く。時が止まったかのような感覚の中、自分の心臓の音だけが響いてる気がした。

本当は、ほんの1、2分ほどの出来事なんだけど、何十分もの長さにも感じたのは、俺自身緊張で頭がいっぱいだったから。

「…ありがとう」

佐久間の呟きが耳に届くのと同時に、佐久間の体もゆっくりと俺から離れた。

ゆっくりと振り返って、佐久間の顔を見る。

ほんのり赤く染まった頬の佐久間に、俺の胸がキュッとなった。

「…チャージ完了?」

冗談っぽく言うと、佐久間は恥ずかしそうに頷いた。

「うん。これで、もう少し頑張れる」

可愛らしく笑う佐久間が、愛おしく感じて、気づいたら俺は佐久間のサラサラの髪の毛に手を伸ばしていた。

軽く2度、頭を撫でて手を引っ込める。

「…俺も、頑張るから」

お互いの視線が混じり合って、微笑み合った。

そういえば…

「プレゼント、開けていい?」

「うん」

2人でベンチに座り直し、俺は丁寧にプレゼントの包みを開けた。

箱の中に入っていたのは、高級そうなシャープペンシル。

「ありがとう。これ、すっごい高そうだけど…」

「これね、そんなでもないよ?でも、長時間使っても全然手が疲れないの」





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