誰も愛さないと言った冷徹御曹司は、懐妊妻に溢れる独占愛を注ぐ
陰謀

 あの日以来、私たちはうまくやっていると思う。”守る”その言葉を実行するように、悠希さんはかなり過保護だ。
 『仕事も無理はして欲しくない』、そう言われたが、彼に伝えられたことでストレスが減ったのか、つわりも何かを口にしていればほとんど問題が無くなったこともあり、続けさせてもらっていた。

 友麻さんもいろいろ気を使ってくれるし、ほとんど悠希さんと同じ部屋で仕事をするようになり勉強にもなっている。
そして、ふたりして、私のためにパンやリンゴをたくさん買ってきてくれて、食べきれなくて困ったりすることもある。
 
 これも「沢渡悠希の嫁だから甘やかされている」と言われてしまえばそこまでだが、どうしても仕事は続けたかった。
悠希さんが、それを私の長年の夢だと認めてくれ、協力してくれている彼に感謝だ。
 
 そして意外なことと言えば、みんなの目の前であのようなことになってしまったことで、いろいろ何か嫌がらせなどあると思っていたのだが、驚くほど何も言われず、今まで通りに接していてくれている。
 表立って何も言ってこないのは、相手が悠希さんだからだと思う。
 
 そんなことを思いつつ過ごしていると、私はあっという間に安定期に入りつわりもなくなっていた。
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