誰も愛さないと言った冷徹御曹司は、懐妊妻に溢れる独占愛を注ぐ
 すぐに離婚をされたとしても、一度は了承してもらえればあの屋敷にいるよりはまだマシかもしれない。

「お願いいたします」

 気持ちを込めて、これでもかと腰を折りそのまま目を閉じた。
 しかしすぐに冷たく言い放たれる。

「どんな手を使っても、私の機嫌を取って来るようにと言われたのでしょう。宮下はメイン企業を始め経営が危ないですしね」
 
 やっぱり。薄々感じていた。こんなに必死にSAWATARIの繋がりを求めるなど、何かあると思った。

「私の従妹は結婚をしているし、私に白羽の矢が立ったのでしょうが、そううまくはいきません。まさか私が断ったら今度は弟とかいいだしたりするのかな?」
 淡々と辛辣な言葉を並べられ動揺してしまい、私はなんとか冷静になろうとする。
 
 何を言われてもこのまま帰るわけにはいかない。

 今が絶好のチャンスだと自分に言い聞かせる。これでも一度は法の世界を目指したのだ。落ち着け。そう自分に言い聞かすと必死に頭を巡らせた。
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