誰も愛さないと言った冷徹御曹司は、懐妊妻に溢れる独占愛を注ぐ
 いろいろ相談するうちに親しくなり友麻さんと呼ぶようになった彼女には、何度もそう言われたが、私はかたくなにそれを拒否した。

 すぐに離縁されるかもしれないのに、無駄な費用は極力避けたかった。
 
 そして、友麻さんは自分のこともいろいろ話してくれた。
 もしかしたら、沢渡さんと昔親しい関係だったのではないか、急に現れた私にいい感情を持ち合わせていないのではないか、そんなことを考えたこともあったが、彼女には大切な旦那様がいるそうだ。
 
 賤しい想像をしてしまったことを恥じた私にも、友麻さんはいろいろなアドバイスをしてくれた。
 そんな協力を得て、新居はなんとか形になったと思う。
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