西野先輩はかまいたい
教室の一番後ろの窓際の席。
お互いうつむいたまま、私達は無言状態。
何とも言えない気まずい空気が
私達を取り囲んでいる。
そんな時には
クラスメイトのヒソヒソ声が
キャッチしやすいらいし。
「なんで夏川君と白石さんが
向かい合ってるわけ?」
「あの二人が話したとこ
今まで見たことなくね?
白石さんって、誰とも喋んないから」
みんな私たちのことを
不思議がっている。
恥ずかしすぎ。
顔なんか上げられないよ。
「食べようぜ……弁当……」
テレを溶かしたような
夏川君のささやきに
「……うん」
私は顔も上げず、頷き返す。