西野先輩はかまいたい
机の上に、お弁当を広げた私達。
「オマエの弁当、うまそうだな。
白石が自分で作ったやつ?」
「そうだよ……
うち、お母さんがいないから……」
夕飯の残りを詰め込んだだけの
茶色系のおかずたちを見つめ
ブルーな気分に浸っていると
「あっ、百合ちゃん。
いたいた~!」
私の耳に、陽気な声が飛び込んできた。
ハッとして
廊下の方に視線を飛ばす。
立っていたのは
はじける笑顔を浮かべた、西野先輩。
教室のドアに片手をつく姿は
まるで学園ドラマのワンシーン。
後光がさすイケメン主人公並みに
様になっている。