モテ基準真逆の異世界に来ました~あざと可愛さは通用しないらしいので、イケメン宰相様と恋のレッスンに励みます!
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修道院は、緑に囲まれた静かな土地に、ひっそりと建っていた。古い建物だが、かなり歴史があるそうだ。確かに、趣ある印象である。
迎えに出て来た女子修道院長は、貫禄のある中年女性だった。グレゴールが用件を告げると、彼女はあっさり頷いた。クリスティアンとの間で、完全に話は付いていたらしい。
「では、俺は中に入れないので、これで。終わったら、迎えをよこす」
グレゴールは心配そうにしていたが、男子禁制である以上、いたし方なかった。
「わかりました。ここまでありがとうございました」
グレゴールと別れると、女子修道院長は、早速作業場へ案内してくれた。最小限の家具しか無いがらんとした部屋に、大豆が山と積まれている。
「お世話になりますわ、ハイネマン夫人。では、今から修道女たちを連れて参りますので、よろしくお願いしますね。もう、ビシビシこき使ってやってくださいまし」
ほほほと愛想笑いをすると、女子修道院長は去って行った。
(私がグレゴールの妻だから、媚びているのでしょうけど。でも、何だかあまり感じの良い人じゃないわね……)
しばし待機していると、修道服に身を包んだ若い女性たちが、ぞろぞろとやって来た。ざっと、十名ほどか。先頭の女性と目が合った瞬間、私たちは同時に叫んでいた。
「カロリーネ様!」
「ハルカなの? 何であなたが、また……」
カロリーネは、目をつり上げた。
「というより、それってウェディングドレスではないこと? わざわざ、見せつけに来たってわけ!?」
迎えに出て来た女子修道院長は、貫禄のある中年女性だった。グレゴールが用件を告げると、彼女はあっさり頷いた。クリスティアンとの間で、完全に話は付いていたらしい。
「では、俺は中に入れないので、これで。終わったら、迎えをよこす」
グレゴールは心配そうにしていたが、男子禁制である以上、いたし方なかった。
「わかりました。ここまでありがとうございました」
グレゴールと別れると、女子修道院長は、早速作業場へ案内してくれた。最小限の家具しか無いがらんとした部屋に、大豆が山と積まれている。
「お世話になりますわ、ハイネマン夫人。では、今から修道女たちを連れて参りますので、よろしくお願いしますね。もう、ビシビシこき使ってやってくださいまし」
ほほほと愛想笑いをすると、女子修道院長は去って行った。
(私がグレゴールの妻だから、媚びているのでしょうけど。でも、何だかあまり感じの良い人じゃないわね……)
しばし待機していると、修道服に身を包んだ若い女性たちが、ぞろぞろとやって来た。ざっと、十名ほどか。先頭の女性と目が合った瞬間、私たちは同時に叫んでいた。
「カロリーネ様!」
「ハルカなの? 何であなたが、また……」
カロリーネは、目をつり上げた。
「というより、それってウェディングドレスではないこと? わざわざ、見せつけに来たってわけ!?」